いつの場合でも、患者さんからすると”たいして痛くないのに神経抜かれた”みたいな表現をよく聞きます。もちろん、神経の処置を行うとその歯の寿命は短くなりますので、こちらとしても”神経を取る”処置はできるだけしたくないものです。けれども、麻酔して処置してそのあと痛くなったりしても困るので、神経の処置をついついしてしまうことも多々あります。裏返すと、いままではきちんと覆髄、直接覆髄、断髄がうまくできないので神経の処置をしていたのかもしれない。うまくできないのには理由があり、それは材料学的なものが一番だと思う。いまではMTAがそれに適した材料であることが明らかになり、また、MTAでもビスマスフリーで、硬化時間の早いものが製品として出てきた。下の症例はMTAがなければ200%神経の処置をしないといけない症例だと思う。