MTAをつかっての逆根充

 逆根充とは、文字通り根っこの治療が口の中から無理な場合に行うものです。特に、何か理由があって歯冠補綴物がはずせない場合や、難治性の根管治療の場合に行う手術です。外科的に根っこの外からお薬を詰めます。従来の方法では肉眼で行うので、かなり予後も悪かったのですが、現在では顕微鏡下でおこなうことで、予後も格段に良くなりました。
右の写真の方も黄色に示した場所に膿がたまっていて、痛みがあるとのことでした。前医では抜歯を勧められたそうです。この歯には太く長い芯棒がはいっているので、ちょっと除去するのはリスクがあります。そこで、赤い場所をMTAで逆根充することにしました。術直後では膿をさらってるので、根っこの先の暗い感じが強くなってますが、そのことについては特に問題ありません。3枚目が術後12日のレントゲンですか、暗い感じもなくなり、調子よさそうです。もちろん痛みなどもありません。

 

 

 

 

ENDOCEM MTA

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MTAとは mineral trioxide aggregate の略で、今、非常に注目されている材料です。

 まだ、市場に出て浅いせいか、日本では覆髄目的でしか、保険はききません。覆髄目的ではできれば、ホワイトMTAと言って粉が白いものが歯冠の変色、色の透過の兼ね合いもあってよく使われています。

しかし、どの製品もやや硬化時間が長いように思います。対してENDOCEM MTAは硬化時間が3分程度と非常に早いため、パーフォレーションリペアや逆根管充填に用いた場合に便利です。しかし色はグレーなので、メーカーのパンフには歯の着色はないと書かれてますが、やや怖い、、、

なので、パーフォレーションリペア、逆根管充填および大臼歯太めの根の根充によく使ってます。

MAPSYSTEM

 

ヘッダーの画像IMG_0051にも使用したのだが、これはMicro-Apical Placement System(MAP System)といって、個人的には非常に使いやすい、MTA用の充填器具である。特に、逆根管充填のときは外科中なので、効率よくMTAをまとめて充填するには必須な感じがしていたのだが、どうも発売中止になった様子。買い占めに走らなければ、、、