通法では発見困難な根管の探索および拡大

他院からの紹介です。近心根管にリーマー挿入時に違和感が消えないとのことでした。CTを撮影してみると、MB根が存在しそうな根管形態です。実際にのぞいてみると、、、まったく、見つかりません!!滝汗~~~

気を取り直してMLからのフィンを清掃することにしました。すると、Er-YAGレーザー処置中にイスムスの形が見えてきました。試しにリーマーを挿入してみると、、OK、”I got the penetration !!!!” 今回の症例は少し焦りましたね。

MB2の探索、上顎大臼歯

福山市の北のほうからの患者さんです。根管処置をして冠を入れるも、痛みが引かないので、冠を除去して再び根管治療を行うも症状が引かない。=打つ手がないので抜歯かもとなった時点での紹介です。紹介していただいた先生もレントゲンから近心頬側根が原因と考えられていたのでしょう。同部のみの削合がしてありました。メタルコアとレジンコアが混在してたので2回ほどはされたのかな?

CTで確認すると近心頬側第二根管(MB2)がありそうな気もしたので、MB1のフィンを削合しつつMB2の探索を行いました。

まずは、CTで歯根の断面図、病巣との位置関係を確認して、第二根管が存在するのか、しないのかのおおよそのあたりを付けます。もしも第二根管が存在しないのにドンドン削合すると当然歯はだめになります。安全に、確実にMB2を発見することがなにより大切です。Er-YAGレーザーは水に特異的に反応するので、様々な解剖学的形態が混在する歯質の削除に適しています。最初は、MB1のフィンを探すようにレーザーを当てます。その後フィンの末端にMB2があるかを確認します。この手順では、Er-YAGレーザーはもちろん必須で、他にも歯科用顕微鏡とできればYirro-plus ミラーとかもほしい。

MB2の入り口を明示したらあとは拡大をして(一言で書いてますが、ここにもいろんなノウハウと特殊器材が投入されます)一回目の診療は終わりです。次回来院時には打診はやや残るものの、症状は引き気味で、3回目の来院時にはすべての症状が治まりました。