Er-YAGレーザーを用いた歯肉切除術、隔壁作成

根管治療の成功の要素としては、根管の確実な清掃が一つ挙げられます。そのためには、根管を次亜塩素酸水溶液によって洗浄し、感染源となる汚染タンパクの確実な除去が必要であると考えています。しかし、次亜塩素酸水溶液は非常に刺激が強いですから、洗浄時に口腔内に飛び散るのはいただけません。そのためには”ラバーダム”を行うことが必須であると考えています。けれど、残存歯質がすくない歯にはラバーダムがかけれませんので、隔壁を作ることが必要になります。今回の症例のように残存歯質が少なく、かつ歯肉が歯のあった部分に増殖している場合は歯肉切除術が必要です。今回の症例のように、ごくわずかの量の切除、その後の接着操作にはEr-YAGレーザーでの切除が最適です。

ガンバリーニ先生によるハンズオンコース

IMG_20160312_083857-COLLAGE3月12日から14日まで、横浜に出掛けて、ガンバリーニ先生によるハンズオンコースを受けてきました。外国の先生からのレクチャーは10年ぐらい久しぶりなのですが、内容はよく聞き取れ、理解も十分出来ました。CTを使用し、診査、診断および治療に応用した3D – Endodonticです。

 

 (やはり、ネイティブではない英語は聞き取りやすいです。)

コースの後のカクテルパーティでは多少緊張してうまく話せませんでしたが、また明日からの臨床のやる気が湧いてきました。しかし、たかが根管治療なんだが、奥は深い〜〜〜(たかがではない!)しかし、日本、アメリカ、イタリアの素晴らしい先生がたと写真を取らせていただいて、誠に光栄です。

 

パーフォレーションリペア(根管途中での穿孔封鎖)

DB1312120036_140624162517根管遠心根治療後、咬合痛および自発痛を訴えて来られました。レントゲンからは遠心根のガッターパチャ―が途中で消えるような画像です。仮封を外してみると、青い物が見えます。これは、多分印象材が根管に剥がれ残ったものと考えられます。また、青い印象材を剥がしてみると、根尖の拡大図では歯髄組織の残存が見られます。ただし、痛みの種類が違うと思ったので、CTを撮影してみると、、、11

どうやら、メタルコア(歯の中に入れる土台)を入れる部分を切削する際に根管の途中で穿孔しているようです。(なぜ、メタルコアなのか??なぜ、寒天が残ってるの?という疑問など多々あるのですが、)このまま、メタルコアを装着すると何年後かには感染して抜歯となるでしょう。というか、痛いので装着もできないはずですが、、、手際よく、速い治療だったらしいのですが、これではちょっと、、、、手間かもしれませんが、歯質が十分残っている場合はレジンコアのほうがいいと思います。

DB1312120036_150123124813今回の症例では、穿孔のある遠心根はMTAで根管充填を行い、近心根は問題なかったのでガッターパチャ―で根管充填しました。MTAの充填は非常に予後もよく、2年ほど経過していますが、なんの問題もありません。

MTAによる根管充填

以前はCWCTでの根管充填がメインになると言っていたのですが、最近では、特に根管口の大きな症例、難治性の症例ではMTAで根管充填がメインとなってきたようです。

抜髄>CWCT、感染根管治療>MTA

となりそうです。

 

いきなり、難しそうなタイトルですが、CWCT とは Continuous Wave Condensation Techniqueの略で、根管充填法のなかでも垂直加圧充填法の一つです。 この方法は、根管のシーラーの量を抑えることができ、封鎖性がよいとされてます。いままで、日本の歯科材料社もこの方法で充填するための機材を最近続々と発売しはじめ、これからのスタンダードになる予感がします。

情報源: CWCT | 豆知識 | いとう 歯科