メタルコアの除去

左上は案の定、歯根破折してました。これは仕方なく抜歯です。

 

 

 

右にも根尖に病巣があるし、違和感もあるしで根管治療が必要ですが、しかし、しかし、ポスト深い~~。なんでここまで深いの??ここまで深いとそりゃ歯根破折の可能性も増します。

 

 

根管治療のリスクになるのが、大きなポストです。根管治療をするためには根管にアクセスしないといけないのだが、大きなポストがあると、除去が困難で、下手にはずすと歯根破折や穿孔してしまい、歯を助けているのか、壊しているのかわからくなる。今回の症例もポストがあまりに大きいので歯根端切除しようか迷っているあいだに、違和感も出てきてので、ポスト除去を試みました。(やってできないことはない!)動画はポスト除去後の動画です。(除去中ではない。)根管壁もそれほど傷つけずに優しい除去ができたと思います。

 

 

 

MTA20カプセル購入

個人輸入で、MTA購入。2017/11/27にオーダーして11/30に届いた。なんともはや便利な時代になった。と思ったら国内でも8月ころから売られてるみたい。HP

国内だと1カプセル3600~4000円ぐらい。実売は3000円ぐらいでしょうか?0.085gで3000円としてグラム3万5千円です。

ちなみに保険診療では直接覆髄は1200円ぐらいですかね。

 

左上4 直接覆髄

歯髄(歯の神経)を取らないほうが、歯が長期的に残るのは論を待たない。しかしながら、日本はやたらと神経をとる国に入ると思う。これは、後々のトラブルをおそれてなのか、保険制度の問題か、もしくは日本の歯科教育の問題かもしれない。しかし、関係者なら、神経の処置をしない=言い換えるなら歯髄保存療法がどれだけ大切かはよく知っているので、確実で安心な歯髄保存療法の出現が待たれている。いままで、いろんな方法がでてきたものの、MTAによる歯髄保存療法はその予後の良さがとびぬけているように思う。また、海外の論文でも報告は多く、その予後の良さにはエビデンスがあるといっていいと思う。例えば、、

 

A randomized trial of direct pulp capping in primary molars using MTA compared to 3Mixtatin: a novel pulp capping biomaterial.

3-mix と シンバスタチン のコンビネーションは詳しくはしらないけど、論文の中で、MTAの成功率は93.8%、それに対して単なる3-mixは57.1%との報告(3-mixの成功率の低さ、、、)

Direct Pulp Capping With Mineral Trioxide Aggregate: An Observational Study

BogenらによるとMTAによる歯髄保存療法は97.96%の成功率で特に若年者の15症例では優れた成績を残したとのことであった。(超意訳です、、) All teeth in younger patients (15/15) that initially had had open apexes showed completed root formation (apexogenesis).

 

歯を残すためには、、安易に神経を取る処置をしないこと、これに尽きると思う。以前は 歯髄の露出=抜髄処置 であったがこれからは変わってくるように思う、ただ、ラバーダム、歯科用顕微鏡そして直覆用のMTAの使用が必須だと思います。

術前:

右上4番遠心にカリエスがあり。その範囲も広く、露髄の心配をしないといけない。ただし。冷水痛はあるものの、その他の症状はない。

 

 

術後:歯髄ギリギリまで、(動画では露出しているので、ギリギリではないが、、)修復物認められる。術直後に痛みがあったが、その後は落ち着いており、現在のところ咬合痛などはない。

 

 

 

フィン イスムスの清掃

イスムスとかフィンと呼ばれる狭い部分の清掃です。この部分に感染した物質が入り込むと除去が大変困難になります。なんせ道具がありませんので。

ここでは、自作の道具でお掃除してます。0:38あたりでフィンの狭い所から汚れが浮き出ているのが見れます。