MTAによる根管充填

以前はCWCTでの根管充填がメインになると言っていたのですが、最近では、特に根管口の大きな症例、難治性の症例ではMTAで根管充填がメインとなってきたようです。

抜髄>CWCT、感染根管治療>MTA

となりそうです。

 

いきなり、難しそうなタイトルですが、CWCT とは Continuous Wave Condensation Techniqueの略で、根管充填法のなかでも垂直加圧充填法の一つです。 この方法は、根管のシーラーの量を抑えることができ、封鎖性がよいとされてます。いままで、日本の歯科材料社もこの方法で充填するための機材を最近続々と発売しはじめ、これからのスタンダードになる予感がします。

情報源: CWCT | 豆知識 | いとう 歯科

MAPSYSTEM

 

ヘッダーの画像IMG_0051にも使用したのだが、これはMicro-Apical Placement System(MAP System)といって、個人的には非常に使いやすい、MTA用の充填器具である。特に、逆根管充填のときは外科中なので、効率よくMTAをまとめて充填するには必須な感じがしていたのだが、どうも発売中止になった様子。買い占めに走らなければ、、、

根管治療専門外来を開設した理由

いとう歯科ではマイクロスコープを臨床に導入してから、ちょくちょく他の医院で治らないから診てほしいという要望がありました。遠くは広島市、近くでも神辺、府中とかからです。しかしながら根管治療はうまく行っても、当医院では遠方から来られる患者さんのかかりつけ医とは成り得ません。遠くから来ていただけるのは嬉しいのですが、メインテナンスやリコールのことを考えるとこのことは非常に大きな問題です。

また、一般に難治性の根管治療と考えられていても、CT、マイクロおよびEr:YAGレーザー等の治療器械や修復材料としてのMTAのコンビネーションの力は絶大です。そして、絶大な故に”以前の歯科では何ヶ月も、時には何年も治らなかった”ものが、たった数回の治療で治ることがあります。もちろん喜ばしいことなのですが、故に患者さんの前医への不信感がつのります。(後で述べますが、保険治療の制限のなかでは、難治性となるのも当然と思っています。また、その制限の中で頑張られている行為を否定する気持ちは全くありません。)

以上の2点を勘案すると、当然の事ながら、治療を終えた後に、患者さんが歯科治療難民となる恐れがあります(治療にいくのは、通うのに時間がかかる、遠いので 痛くなった時だけとか、、)。これは本意ではありません。

また、保険治療では扱える材料に限りがあります。(現時点でMTAは根管充填剤として保険では認可されていない)もちろん時間にも限界があります。

これらの数々の問題を解決するために、”根管治療専門外来”を開設し、根管治療のみの扱いを行い、治療後はかかりつけ医の先生に継続的なメインテナンス等を行っていただくのが、よいと考えました。また、保険診療の”ワク”からはずれることによって、より良い機材が、より良い材料が使用でき、より良い治療成果がでると考えられます。